部屋・室礼
建物の由来
「seppa」の建物は、備前福岡景観形成重点区域に建つ仲﨑邸(国登録有形文化財)の建設に尽力した棟梁が、1918年に自邸として建てた住まいを、宿として2026年3月に改修し受け継いだものです。
建築
建物は入母屋造りの古民家建築。床の間、欄間、天井をはじめ、建具や造作の細部にまで遊び心が施され、空間の随所に棟梁の美意識と工夫が息づいています。
刀
手仕事
樹齢を重ねた一枚板、自然の樹形をそのまま生かした床柱、細部の美しさを形づくる繊細な手斧の跡。竹を用いた細工や建具の納まりにも、材を知り尽くした職人の感性が宿り、木の肌に触れる光、刻まれた刃物の跡、長い時間を経てあらわれた木の艶が、空間に静かな表情を与えています。材の癖や表情を読み取りながら刻まれた仕事のひとつひとつには、人の手から生まれた建築ならではの温もりと気配が漂います。
庭
部屋からは、意匠を凝らした石組みの庭を望むことができます。四季の移ろいのなかで庭の緑は趣を変え、建物とともに穏やかな時間をもたらします。こうした細部にまで及ぶ手仕事の積み重ねが、この建物の魅力を形づくっています。
長船のものづくり
一つひとつを丁寧に積み重ねていくものづくりの精神。その精神は、このまちが刀とともに重ねてきた時間とも静かに響き合い、火と鉄と人の手から生み出されてきたものづくりの系譜は、長船のまちにいまも受け継がれています。
※一刀の宿「seppa」は、2026年6月1日の開業に向けて現在準備中です。掲載している画像とは異なる場合がございます。
一階では、かつて棟梁が設えた飾り棚に太刀や打刀が据えられ、その姿や地鉄、刃文が、静かに空間に表情を与えています。二階の和室には短刀が置かれ、寝所に寄り添う御守刀として、ひと夜をともにします。刀はかつて、武器であると同時に、守りであり、祈りであり、人の精神を映す存在でもありました。この宿では、刀を鑑賞の対象としてではなく、暮らしの中にともにあるものとして迎えています。